週刊エコノミストの最新刊に、今年のノーベル経済学賞を受けた学者さんのことが載っている。広い意味での「ガバナンス」をテーマにした研究で、記事を読む限り長い積み重ねのある観察から構築した理論らしい。 なかでも、オストルムさんの「共有資源の統治」は、興味深い。 通常「コモンズの悲劇」という観察結果からの経験則に反する実例を見つけ出し、資源を共有する利用者どうしによって、秩序づけられた状態が発生する条件を明かにしたというのだ。
このあたりハイエクの自生的秩序のアイデアとどういう関係にあるだろう、 また、リバタリアン的にいえば、政府・法権力を介在させなくても、共有資源の管理が出来うるというのは、政府の極小化への援軍とも言える。
もっとも。 資源という、経済的にプラスの方向への材料であれば、その資源をたとえ分かち合うことになっても、誰もが元の状態より損をすることがない。だから、みんなで話し合い分け合うことが、合理的な選択肢としてありうることになる。 問題は、経済的にマイナスの方向への材料……例えば廃棄物を共有地に捨てる場合かもしれない。積極的な「価値」を生まない行為だから、できるだけ安価な処理法に皆が徹しようとする。そうしないと損を拡大させてしまうからだ。未処理の廃棄物が、公有地に堆積してしまう例などが典型だけど、これこそ「コモンズの悲劇」の言葉にふさわしい惨状になる……。 そちら方向へ、彼女の理論が進んでいってるとすれば、かなり面白く実際的でもあるな、と思う。
オストルムさんの論文集とか、邦訳されてないか、 どなたか、ご存知ないでしょうか。 テーマ:おぼえておくべきこと - ジャンル:政治・経済
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