ほしあかりをさがせ
山登り・サイクリング・星見・石仏探し 本命は何なのか、出たとこ勝負で行ってみましょう
プロフィール

Author:デルタ
三十才代、三重県在住の光関係の技術者です。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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「信用」論−出世払いを忘れた社会の末路
今存在する経済格差は、確かに一時期に比べてひどくなったといわざるを得ない。
おこじょさんが述べておられる、「年間3万人の自殺者」て背筋の凍る話……。私だって、実態は「風采のあがらない中年サラリーマン」でしかないから(苦笑)。
けれど、閉塞感は、政策的な不備(または行きすぎ)に帰結させていいのだろうか。
30年以上生きてきて、70年代の石油ショックから始り、不況のたびに同じように「庶民の生活の崩壊」という言説を聞いてきているから、眉にツバをつけてしまうのだ。
そのたびに問題にされることは、「富めるものがますます富み、貧しい者がますます貧しくなる」という話だ。この”現実”のために、閉塞感が個人にそして社会に蔓延しているのだ……。

例えばオーストラリア・カナダ・USAでは、個人が自分のキャリア開発をする時に、わりと簡単に低利でお金を借りることができる。
家が貧しいからと進学を諦めるかわりに、自分が借り主になって学資ローンを借りるのも割に当たり前なのである。一方、日本では一度社会に出るまでは保護者が学資を出す、という原則が社会的にあるために、このような学資ローンが未成熟になっている。
……と、このあたりのことを、「日本の学生は親のスネカジリだ」と批判してもはじまらない。私は、もっと根元的に、次の2点を社会的な閉塞の原因として問題提起をしたい。
「日本社会では総じて、借金が罪悪になっている」
「日本の金融機関(というより日本の預金者が、というべきか)が、個人ローンを、貸し倒れになりやすい危険資産と見なしている」

つまり、借りる側も貸す側も、個人の借金を「危険なもの」と見なし、借金する人など信用できない、と決めつける様子が見受けられるのだ。
起業したいという人や、新しいことにチャレンジしたいという人が、自分の未来のために、初期投資(開業費用とか、自己啓発の資金)へお金を貸すのは、今のところ公的機関しかない(ベンチャーキャピタルなどは、本当に例外的なものだ)。海千山千な使途に貸すのはイヤだが、税金だから貸していいかと諦めている、というのが、私たち平凡な庶民の実態だろう。一方、個人レベルでは、よっぽどのお金持ちでない限り、お金を金融機関に寄託して、貸与奨学金の原資にするなどの発想も出てこない。

ペイオフの議論で如実に出たけれど、我々は「元本保証」への執着が強い。少しでも貸し倒れの可能性があると、不良債権だと大騒ぎして、そのような貸出先が多い金融機関から、預金者(=我々)がお金を引き上げてしまう……。
一時期のりそな銀行が典型的な例だった。「リテールへの貸し出し、中小企業への貸し出しを増さねば、日本経済が駄目になる」と言われていた3年くらい前、リテールや中小企業への貸し出し量が、大手金融機関で一番大きかったのは、りそな銀行グループだった(その点、褒めてあげねばならないくらいだった)。が、実際にはその貸し出し状況の故に、「不良債権だらけの落第生」と認定され、「負け組銀行の筆頭」と面白おかしく報道され、金融庁に”お取潰し”されてしまった。
繰り返すが、「リテール(個人ローン)と中小企業への貸し出しをもっと増やせ」といったのも、「りそなは落第生」といったのは、いわゆる竹中平蔵に代表されるエリート層ではなく、ごく一般的な庶民だったのだ……。

その態度の矛盾に誰も気付くことなく、自分の持つ資産を、個人のささやかで(けれど信念に満ちた)未来像に対して投資せずに、寝かせるばかり。あげくのはてには、お金の持って行き場に困って、株式や為替先物の投機へ、つぎ込んでいるのだから、やりきれない。

私たちは、いつの間にか、自分たちのお金を、自分たちの未来に役立てるように投資できなくなってきている。デイ・トレーダーが象徴的だ。彼等は、なんと「株を持ち続けることはリスクが高い」と言って、1晩ですら同じ株を持ち越せないほど、「不確定な未来」に怯えている。

平等よりも、公正さよりも、真っ先に取り戻さねばならないのは、一人ひとりの人間の未来や可能性や信念に対する「信用」だと、私は思うのだ。

前に書いたけれど、よい言葉だから、もういっぺん書こう

「強者が生き残る、とは本当だろうか。弱者が環境に適合するように進化することで、新たな環境に生き残るのだ」(今西錦司)

テーマ:経済批評 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
問題提起、追加
デルタさま、おひさしぶりです。
もう一点、社会的な閉塞の原因として問題提起していいですか?
「しがない平凡OL(笑)が株や外貨やMMFとかいいだすと、同席の男性が妙な女というレッテルをはる」
冗談。でもそういう人っているのです……すいません本題からはずれて。

記事の「信用」、新会社法でますます厳しい見方になりますね。当の希望をどこから見出すのか、見る側の目がおいついていかないまま、自己責任の荒野へ投げ出された気分なのです。正直なとこ。
【2006/05/15 01:05】 URL | Kabla #99DFA69w [ 編集]

実は解は30年前にあるのでは(期待表明)
kablaさん、こんにちは。

>自己責任の荒野へ投げ出された気分なのです。
それは、同じ不安感を持っております、正直に書くとですね。
それなのに、なぜ私が楽観しているのか、いつのは生い立ちのせいもある、
と気付いてます(爆)

ここが分かれ道でないかと、私は思っているんですね。
「見る目が育っていないと自覚しているからこそ」
 〔ひとつの選択肢〕ナガイモノに巻かれる(絶対安心な大企業株を買いに走る、とか)
 〔もう一つの選択肢〕自分も運営に参画できるほどに身近で信用できる組織に出資する
私は、後者の選択肢に意外と人気が集まると思っているのです。
概ね30年以上日本に住んでいる人たちは、70年代の華やかだったころの生協活動などを知っています。その中核となって活動していた人たちが、忙しい仕事をリタイアする時期にもちょうど来ています。当時の人脈・ノウハウを持っている上にお金があるのですから、怖いものなしです。私らは、それを引き継げばいいのでないかと、楽観しているわけです(笑)

実際、大津で生協を立ち上げた方達が、びわこホールの運営ボランティアにかなり深く関与してはる、という話も聞きましたし。

無論、前者に傾く気配もかなり濃厚に見え、……そちら方向に雪崩を打ち始めたら、まさに日本経済のカタストロフィーといっていいでしょう。怖いバクチであるのは、私も自覚しています。
そうわかってながら、……楽観的すぎるのか……(苦笑)

こういう期待を持つあたり、私がそこいらの「新自由主義者」と違っているところで、
周りの方を混乱に陥れる原因らしいですね。
可々

>しがない平凡OL(笑)が株や外貨やMMFとかいいだすと……

それは、人口のほぼ半分を排除する。業界ばかりでなく、社会の機会損失です(マジメな目で)

珍しい存在なのですか?
(100人以上の職場に女性が5人いるだけなので、私の実体験からは判断できかねる)
外貨投資はむしろ女性の方が多い印象があるのですが、
これは金融機関のイメージ戦略にかかっているのか?(汗)。
【2006/05/15 21:35】 URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]

コメントありがとうございました
おそくなってすみません。結局お金を借りたい人ひとりひとりを吟味するのが
面倒だから、不動産持ってるとか公務員であるとか、そーいった簡単な指標に頼っちゃうんじゃ
ないでしょうか。
あとで上司になんであんなのに貸したんだと言われて責任とるのがいやとか。
近頃つくづく日本の組織は個別対応が苦手なんだなあと思います.
【2006/05/17 12:06】 URL | おこじょ #n08XGfOg [ 編集]

需要の小ささもあるのかも
おこじょさん、こんにちは。
無担保の個人ローンて、民間金融機関には扱った経験が少ないために、怖いのかもしれませんね。
一説には、(これ、確か市来さんの「諦観的日本経済論のすすめ」にあったのだけど)、
政府系金融機関が積極的に個人ローンを開拓してきたために、入りそこなった、という側面もあるみたいです。(卵が先か、ニワトリが先か、ですが)

一斉に学生さん達が、学費を借りたいと金融機関へ押し寄せたら、どうなるかな、と夢想します。
「これは商売になるぞ」
と、その銀行なりの幹部が感じてくれれば、しめたものなのですが……。

と、他人をアテにしていても、建設的でないので、
ちょっと、自分なりに案を考えてみました。

よかったら、5/23の項をご覧下さい。

【2006/05/23 00:04】 URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]


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毎年3万人以上自殺ってすごくない?

8年連続で3万人超ってことは、もうすでに一つの市の人口が消えたくらい自殺してるってことじゃん。<自殺者>8年連続で3万人超 「格差社会の影響」か死にたくなるくらい困ってる人が誰にも助けてもらえずに死んじゃうのって、すごく気の毒。格差社会がなんチャラ、って意 tsurezure-diary【2006/05/15 13:29】