ほしあかりをさがせ
山登り・サイクリング・星見・石仏探し 本命は何なのか、出たとこ勝負で行ってみましょう
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デルタ

Author:デルタ
四十才代、三重北勢在住の技術者です。ちょっとだけ営業マンもしてました。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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ファンタジーの越境行為(「トンマッコルへようこそ」)
宣伝用のスチール写真の笑顔の群にノックアウトされ、
「トンマッコルへようこそ」を、土曜日に見てきた。

作品についてツベコベ説明する前に、今私が悩んでしまっていることから書く。
怖ろしい問いを提示されたようで、落ち着かないのだ。

「お前は、たとえば太平洋戦争の沖縄戦を舞台にファンタジーを書く勇気があるか?」
私も、物語を書いてきた人間。……冷や汗が止らない。
批判が怖くて、とても、描く勇気がわかない。
が、この作品では、約50年前の朝鮮戦争をファンタジーのネタにしてしまったのだ。しかもあろうことか、この戦争は厳密には今なお終わっていないのに!

本国では、相当中傷にあったらしい。特に、結末で南北連合軍(自称)が、米空軍と戦うという構図になるので、「親北反米のプロパガンダだ」との意見がかなり多かった様子。(詳しくは「コレア打令」(平井久志著 ビジネス社)を参照)
そのいっぽう無茶苦茶なヒット作品だったという
(800万人動員、だとか……もっとも、このところの韓国映画て一握りの作品が爆発的ヒット、あとは閑散という傾向があるという。よって、プロモーション側のイビツさの結果でもあるだろうとは、推察している)。

見終わって私の印象は、
反米、というよりは、
「SWING GIRLS」的なイナカ生活の脱力感と、「七人の侍」の義侠心とを無理矢理融合して、そのギャップを楽しめる、というところだ。
特にイノシシに村人が追いかけられたとき、よそ者(韓国兵×2、北朝鮮兵×3、米国兵×1)の連係プレイでイノシシ退治する場面の撮り方は、「SWING GIRLS」のイノシシ退治のシーンの確信犯的パロディー(爆)。「矢口監督、このアイデア面白かったよ~、使わせて貰うね~」というこの作品関係者の肉声が聞こえてきそうなくらい、大らかなタッチで笑えた。
ついでにいうと、村人たちは、舞台の江原道の方言丸出しで話しているらしく、明らかにNHKのハングル語講座とは違う発音をしている。このあたりも、「SWING GIRLS」っぽい(江原道は山国で、ものすごくイナカと目されており、普段は韓国のテレビドラマなどでもその方言が使われないらしい。そのあたりが、日本の東北地方と似ているだろう)

これらをみても、「コレア打令」で紹介されている韓国の批評にある通り、
「ヒューマニズムに包装された民族情緒に満ちた商業映画」
には違いない。
が、それでは済まされない怖ろしい描写がある。たとえば、以下のように展開する主人公たちの心理描写だ。(以下極端なネタバレなので、白フォントにします)

飛行機が墜落し村にいる米兵スミスの所在は、やがて連合国軍※司令部に捕捉され、司令部は、空挺団で救出して即、その地点を爆撃するとの作戦を立てた(この村を北朝鮮のゲリラの拠点だろうと考えたため)。
この作戦を知った、韓国兵・北朝鮮兵たちは、世話になった-しかも朝鮮戦争をやっていることをすら知らないような平和な村を、戦争に巻き込むのを不本意に思い、村から山一つ隔てた場所に偽装の軍事拠点を作り、そこへ爆撃を誘導する、との作戦をとる。
準備段階で、指揮を任される韓国兵(下士官クラスだろう)は、はっきりこう指示している(このセリフ、さりげなく過ぎるので、字幕を見落とす人が多いだろうけど~)
「機関銃、高射砲、小型対空ミサイルなどを乱射し、米軍機に気付かせて、(中略)爆撃機が来たら壕に隠れる」

壕に隠れて爆撃から命が守れるとも限らないけれど、「玉砕戦法」ではなく、合理的な判断だ。……だからこそ、北朝鮮の師団長クラスのボス(”将軍”)に「立派な指揮ぶりだ」と褒められさえしている。

が、実戦では。
仲間が機銃掃射で殺されたりするうち、当初の作戦を忘れ、高射砲を乱射し、護衛の戦闘機を次々に撃墜していく。夢中になってしまい、爆撃機を含む本隊がやってくるまで逃げない。そして爆撃が始ると、壕に逃げる隙もなく一面が火の海になり、6人が全滅する……。


このあたり、正常な神経でなくなってしまうという、「戦闘」の本質を見るようで……


※雑誌「Will」がこの表現で『「国連軍」といわないあたり、米側陣営の正当性を貶めるようとしている』、などと下らない言いがかりをつけていたので、私なりに注をつけておく。朝鮮戦争で参戦したのは、たしかに「United Nations」の軍だ。が、韓国では当時「United Nations」という組織を「連合国」と言い習わしていた(もともと”国際連合”という呼び方が韓国にない。今は単に”UN”と言い習わされている)。だから、「国連軍」といわず「連合国軍」とシナリオ上なっているだけだ。
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テーマ:韓国映画 - ジャンル:映画

この記事に対するコメント
はじめまして^^
確かに、日本におきかえると、凄い勇気(どころではない)な作品ですね。
日本の戦争をファンタジーなんてものにしたら…
考えただけでもぞっとします。
しかも、朝鮮戦争は単に冷戦状態なだけで終わってないですものね^^;
いやはや。。。
そう考えると、改めて、監督様の勇気と行動に敬服。

あと、何回かは観に行きたい作品です。
【2006/11/14 15:54】 URL | 紫月 聖 #8gfOIHpU [ 編集]

はう あ~ ゆう(爆)
思わず一番爆笑したセリフで、ご挨拶してしまいました。
失礼、失礼(平伏)

紫月さん、はじめまして。

怒らせるすれすれのところを娯楽に仕上げる、というのが、やはりプロの仕事でしたね。
【2006/11/15 00:49】 URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]


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