ほしあかりをさがせ
山登り・サイクリング・星見・石仏探し 本命は何なのか、出たとこ勝負で行ってみましょう
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デルタ

Author:デルタ
四十才代、三重北勢在住の技術者です。ちょっとだけ営業マンもしてました。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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廃線になる私鉄(磨崖仏探査こぼれ話-茨城篇その4)
昭和32年……か


石岡駅の東側半分は、鹿島鉄道の駅・施設になっていて、ずいぶんとオールドファッションなディーゼルカーが数両停めてある。
枕木もレールもか細く、一時代前に戻った……というより時間が止ったような線路が大きく左へカーブを切りながら、郊外へと続いている。
鹿島鉄道石岡駅


この鉄道、現地に来てみるまで知らなかったのだけど、今月末で廃止になるという。知らずに来たとはいえ、それも縁。霞ヶ浦のほとり、桃浦という駅まで乗ってみることにした。
なかでも特に古めかしい車両、キハ430型という先頭が微妙に曲面で構成してある、ライトが一ツ目の車両の2両編成が、13:36発として入線してきた。
一面板張り、エンジンを吊っている部分だけ鉄板で補強してある床。大きな真鍮のスイッチがついたトビラの開閉器。妙に平べったい扇風機。

昭和32年製造というのが信じられない、古風さ。
このような車両を大切に使ってこられたのに、まず敬意を感じてしまう、一技術者として。

キハ432(小川高校下駅にて撮影)


けれど、逆に「安楽死」へ向かっていく鉄道だったのだろうな、と思ってしまった。

もともとはこの鉄道は、霞ヶ浦近郊の農作物を出荷するための貨物鉄道として拓かれている。そしてつい最近まで、航空自衛隊への燃料補給のためのタンク貨物列車運行が大きな収入源だったのだという。つまり、本来「人を運ぶ」ことは本職の鉄道でなかった。そのはずなのだが、航空自衛隊の給油設備が老朽化しただの(そしてローリー自動車輸送に切り替わった)、トラック輸送が主になっただの、ということで、不慣れな(?)旅客輸送が最後まで残り、ついに諦めるところまで来た、というわけだった。
これは宮脇俊三サンのエッセイにあった一節。
小学校の先生が宮脇サンたち生徒にこう言われたという(時期は昭和の初めだ)。
「鉄道は荷物を運ぶためのもの。人はそのついでに運んで貰っているんだよ」
人は、行く場所が本来ひとりずつ別だ。だから、「駅から駅へ」人を運ぶのは、語句特殊な……産業的にいうと「ニッチな需要」のはずだった。ただ社会的な環境から「ニッチだけど、量が捌ける」という幸運な状況が続いて、「旅客輸送といえば鉄道が本流」という常識が形成されたのだろう(例えば自動車道の整備よりも鉄道の整備が先行したこと、あるいは労働集約型の工場システムが主流になっていた時期が長く続いたこと等々)。
その一方で置き去りにされたのが、本来鉄道に向いていた貨物輸送……、旧国鉄が貨物輸送に関して妙に早く諦めたために、高速化近代化ができないまま、市場撤退してしまった。得意なはずの市場から……。

鉄道に人が乗る必然性がある時代は過ぎてしまった(元、「テツ」としては認めたくないけれど)。
となると、原点に帰るべきでないのか。
鹿島鉄道の車庫にも、名残のように、一両だけ貨車が残っていた。
これが、まさに生きる道しるべのように思えたのだ。

満員の列車の中、そんなことを考えていると、18きっぷで今日中に自宅へ帰る、というタイムリミットを過ぎてしまった。というわけで、新幹線を使うハメに……というのか、新幹線を使えば帰れるのだし、ま、いいかとなったのが正直なところ。

そんなことより、余韻に浸っていたいのさ。

緩急に合わせウナリ音が大きくなったり小さくなったりの、エンジン音をバックにふと浮かんだBGMは、ZELDAの最後のアルバムに入ってた「冷たくしないで」という曲。

……どんなに美しい花もいつか枯れていく/やさしい光に包まれていても
都市的なハードロックに徹してたはずの彼女たちが、なぜか行き着いた桃源郷のうた。それは美しくても、やはり終焉でしかない。
近代・都市・実用の象徴である鉄道が、「美しく」なった瞬間に、実はその終焉が来ている、ということなのかも知れない。
乗り終えての結論が、ぼんやりとそんなところに落ち着いた。
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テーマ:鉄道 - ジャンル:趣味・実用

この記事に対するコメント
おお!
デルタ様、関東へ来ていらっしゃったのですね!

鹿島鉄道、実はその存在すら知りませんでした・・・。(汗)
【2007/03/22 22:10】 URL | 西郷一之介(kazu) #- [ 編集]


KAZUさん、事前連絡できずすみません。
神奈川には、通過時間を含め、2時間くらいしか居れなかったもので……。
【2007/03/24 00:26】 URL | デルタ #- [ 編集]


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