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デルタ

Author:デルタ
四十才代、三重北勢在住の技術者です。ちょっとだけ営業マンもしてました。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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今年も日本へ注がれた「OECDの目」
すっかり春の恒例行事になりました、OECDの目=OECD対日経済審査報告(要旨)を紹介するコーナー(笑)

これを読めば、いかに日本に溢れる格差社会の原因に関する俗論が、枝葉末節にこだわったものか、よくわかります。

sarutoruさんをはじめとして、多くの方が詳細に取り上げはった後に、「何を昼行灯」に、とのご批判もあるでしょうけれど、そこは、恒例行事、ということで、お許し下さいな。


……オイシイ労働法制や税制のことについては、後に取っておくとしまして、まず目についたことをいいますと……。
金融政策はどうすれば持続的な景気拡大を支えられるか?
と題して、明確にインフレ容認方向へ舵をきるべき、と言い始めはったことでしょうか。

(以下、日本語版p.3より引用)
また、0%という下限はデフレに近すぎ安堵できないため、デフレに対する十分な緩衝を設けるため、日本銀行政策委員会は物価安定の理解を見直し、インフレ幅の下限を引き上げるべきである。
(引用 ここまで)

うーん、これはどうなのだろう。ここ1年日銀サンは金利引き上げにウズウズしていたのは事実だけど、実際には政策金利を上げてはいない。だから、インフレ状態への移行を意図的に渋っていたというのは、言い過ぎだろう。彼等だって、デフレを怖がっている。だからこその「下限0%」設定。そこから物価が上がらないというのは、「大金を出してまで欲しいものもない」という消費動向の問題だと私は観察するのだけど……。
インフレって、狙ってできるものでないのだから。

そんな不思議な分析もありつつ、けれど、現代日本の経済上での問題点へ踏み込んでくれている。
(それにしても、アリガタイ機関だと思う。こんなに冷静・客観的に私たちの社会の経済問題について、調査報告してくれる機関は、ないぞ)
さて、いわゆる「格差社会」議論での、私の反論のベースになる「税制」と「労働法制(+労働慣習)」について、今年も見てみます。

税制
まず、かれらは、政府の歳出削減計画の甘さを指摘している。
実際に削減できていることを認めつつも、歳入増を過大に見積もっていることや、社会保障基金へしわ寄せをさせる可能性を暗示して、歳出削減による財政均衡という計画が、中期的に持続可能でないと指摘している。安倍前政権での基本コンセプトが甘いというわけですな(笑)
歳出にかんしてもう一つ厳しい現実を突きつけている。つたない要約より原文(日本語訳)の方が迫力あるので、引用させて頂きます。

(以下、日本語版p.4より引用)
政府の試算によると、2011 年までには既存インフラの維持コストが新規投資を上回り、2022 年には新規投資を完全に閉め出すことになる。人口減少が進むなか、厳正な費用対効果分析に基づいて必要性の薄い社会資本を廃棄するための計画を策定し、生産性の向上に寄与する公共投資の余地を維持することが重要である。
(引用 ここまで)

公共投資削減を叫ぶ人は日本にも多いけれど、それでよしとできない現実があるわけですね。しかも、この問題はほとんど国内で議論されていないように思います……。まさにそうれこそが「危機」ですね。

そしてより本質的な歳入の問題
GDP比6%相当の歳入増が必要と宣言した上で、
 ・間接税の比率引き上げ
 ・法人諸税の引き下げ の可能性を論じた後、
やはりこの問題につきあたった。

どうすれば個人所得税の課税ベースを拡大できるか?
「給与所得の1/4以上に相当」する給与所得控除を削減すべし、と来ました。前に、経済社会総合研究所の太田さんの見解を紹介したことがありましたが、この大きすぎる所得控除枠が、貧困率(中位所得の人と下位所得の人との所得比率)を、確固としてしまっているわけですね。だけど、「中流」と言われる人たちの政治的圧力がコワイために、政治家が切り込めない……という状態で、ここ5年くらい事態が膠着しているわけですが、さすがOECDの委員サン「岡目八目」で急所に切り込んできます。
さらに、
「公平性の問題は死亡件数の4%しか課税されない相続税を強化することによっても対処すべきである」
なんて指摘まであった。
森村進サンが泣いて喜びそうだな。(森村進:一橋大の法思想の先生。リバタリアン思想の日本での水先案内人。彼は「個人への課税のうち一番正当性があるのは相続税である」として、税率100%相続税のみを財源とする公共機関を作るよう唱えている)

労働慣習
マスコミは、この報告書をニュースに報じる際、「OECDも日本の(労働待遇の)格差が危険水域に達している」と切り取って、やれ「正社員」を増やせ云々と言いたがっていますが、OECDのこの報告書の主眼はそんなところにありません。
私がいうと信用してもらえそうにないので、あえて引用しますね。

(以下、日本語版p.9より引用)
非正規労働者の賃金は相対的に低く、非正規労働者の3/4 を占めるパートタイム労働者の時間当たり賃金はフルタイム労働者のわずか40%にとどまっている。さらに、一部の社会保険制度からも除外されている。二極化の進展により、労働経験が短く、日本で重要な役割を果たしている企業内訓練が受けられないために能力を高める機会に恵まれない人々が若年層を中心に増えている。正規労働者と非正規労働者の賃金格差は生産性の差をはるかに上回っているため、公平性の面でも深刻な問題を提示している。
(引用 ここまで)

どうでしょうか。
この文章をフツウに読めば、非正規雇用が増えていることを問題にしているのでなく、労働慣行の、正規・非正規の間にある不条理を問題にしていることがわかるでしょう。
しかし、マスコミも労働組合も口先だけでこの問題にほとんど目を向けません。パート社員を正社員化する、と宣言する某流通会社を褒める報道はあまたあったというのに、「雇用形態によらず同一労働に同一の待遇を保証する」と宣言したりそなHDにはマスコミは冷淡だったのが、なんとも象徴的です。

言いたくないですが、マスコミにも限界があります。いや、日常のニュースを速報するのに忙殺されるマスコミ人には、かえって本質が見えにくくなっているというべきなのかもしれません。
その点、私たちには、締め切り時刻を気にする必要がないのですから、
一時の激情に流されず、ニュースを3日遅れくらいで丁寧に追いかけるくらいがちょうどいいのだと思います。

いえ、最後の文は、3日遅れで対日経済調査報告を話題にしたことを正当化しているだけです。すみません(汗)

(追記)
ところで、一部に、この報告書に対して「何を偉そうに日本の実情を知らない連中が、事実無根なことを書きやがって」と直間比率の記述に噛みついている人を見かけました。

日本が幸運にも浸っていられる「パラダイス鎖国」という社会状況が、だんだん「攘夷」の論調を生んでいいっているようで、私は恐く感じています。
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テーマ:格差社会 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント

トラバありがとうございました。以前からOECDの視点に注目されていたんですね。リバタリアンと自覚されているとのことで、興味深いエントリーがいっぱいありそうなので、またのぞかせてもらいますね。
【2008/04/12 02:22】 URL | sarutoru #- [ 編集]


当該コーナーどころかoecd報告書なるものをまともに読んだことのない小生にも、興味深いものがあります。

日銀の考え方についての批判は、素人の小生から見て、OECDの指摘の方がいいように思えます。
福井さんがゼロ金利でも、緩んでる縄をさらに緩めるという、無駄に思えるほど資産を買って流動性を増やそうとした06年までは、それなりだったともみえるんです。
06年7月にゼロ金利離脱、以後のマネタリー・ベース残高の前年比推移は
06年度マイナス19%、07年マイナス2%、07年の8月以降プラスにもどって1%弱で、
ふらふらしている。
この間、M2+CDは05年2%、06年1%ときて、最近は2%で横ばい。
要するに成長率2%だったら、それ相当のマネー供給ってとこなんでしょうか。
素人の浅はかな意見としては、06年夏にゼロ金利離脱は逆噴射だったとみえるわけです。当時はインフレの兆しもなかった。ただ経済に規律を持たせたいという願望のために、我慢できなかったとも受け取れるのです。
もっと1,2年待てば、今のスタグフレーション突入だとか、サブプライム云々の対応にも本当にまともな金利対応が出来る事態となっていたかもしれない???
マンキューの教科書なんかを読んでると、竹中とか高橋洋一(昨日彼が東大理卒と知りました)、果ては欧米の学者がボロカスに日銀を言うのが分かる気がする。
しかし欧米自体が大チョンボをしている現状を見れば、何をかいわんやですね。
結局貴殿ご指摘のように、「インフレって狙ってできるものではない」に尽きるのかもしれません。

11年に「既存インフラの維持費>新規公共投資」って事態になるってのは、今さら驚く小生は遅れているのでしょうね。

非正規社員の増加を問題にするのでなく、
「賃金(及び社内教育ほか待遇)格差>生産性の差」
が問題なのだ!っていう指摘は、これまた単純な小生には目からうろこのはなしです。
開国派の小生でも、派遣法改正はやり過ぎの気がしてます。
労働基準監督署は金を握る職安より下位にあるのはやむを得ないのかもしれないが、せめて派遣法も守備範囲にするなりの改正がともなってもいいのでは?(公務員をやったことのない小生の寝言ですが)
因みに滋賀県で職業安定部にいる派遣法を面倒見る人員は、たったの2人。
それも司法警察権もないはずです。

過日、昔の上司が滋賀県を来訪した際、不肖の部下で、定年前にリストラされたってのに、一献に呼ばれた。
2次会にも付き合ったのですが、かって崇拝した上司は、「鎖国せよとは言わないが、郵政民営化はじめ最近の規制緩和は許せない」と仰った。
貴殿の「攘夷の論調」でしょうか。

今年の桜はいつもより見事で、当地守山では例えば野洲川の決壊地点の笠原の堤防を、先週ゆっくりと花見して回りました。
焼肉パーティをはじめ簡易な椅子とテーブルで家族が団欒していました。
故あって直近に「桜の森の満開の下」を読みましたが、伝説の鈴鹿の街道の傍にある桜の森はどこのことだったのでしょう。
滋賀県が三重県に先立って、どこかを設定して、観光地にしたらと、馬鹿な白昼夢をしていた小生でした。
長文になりました。失礼おば致しました。
【2008/04/13 16:25】 URL | 迎 秀昌 #- [ 編集]

コメント多謝
SARUTORUさん、来訪ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いしますね。

迎さん
「桜の森の満開の下」の舞台になっている、山賊を惑わす桜の森はどこにあったか、の件は、別エントリーにするとしまして(正直、地元民でも謎です)

日銀サンは、ここ10年くらいは政策的な選択肢を失っているのが実情ですので、非難するとしたら、三重野総裁の時期……バブル潰しでのやりすぎかもしれませんね。
6年前のゼロ金利解除は、政治的な圧力の結果なのかもと思っています。ITバブルと微妙に時期がずれていて、時機を逸した(逸させられた)感が濃厚なのですが、いかがでしょう。

>「インフレって狙ってできるものではない」
どうして、この摂理が世の中で通じないのか、私には不思議で仕方ないのですが(苦笑)
「ロバを水場へ連れて行くことはできても、水を飲ますことはできない」
とでもいえば、通じるのでしょうか(汗)

「攘夷の論理」……これは、まだ私の中でも、直感からきており未整理なのですが。
少なくとも、「明かに国内に発生源がある問題を、外国の干渉のせいにしている」人が多くなった、と感じるためです。
郵政民営化の例でいったら、実態は橋本-小泉のラインで増強された財政改革+行革の一環から始まっているのに、USAの圧力で強制された、という言い方をする人たちが多いことです(私が「対日年次改革要望書」を読む限り、成り行きを注視する以上に踏み込んだ記述がないにもかかわらず、要求されたと公言する人が多いんです。全くどこに書いてあるのか……)
【2008/04/15 00:44】 URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]


前回の小生のコメントには、混乱があったようです。
日銀はバブル崩壊後、政策の選択肢が乏しいのはご指摘の通りでしょう。
ただゼロ金利離脱宣言には、二つあって、00年夏の速水さんと07年の福井さんであったと思います。前者は翌年には早々に福井さんが非伝統的な”量的緩和”を採用せざるを得なかったと記憶しています。
いわば日銀は同じような過ちを二度も繰り返したといいたかったのです。

でもマネタリー・ベースとして銀行に預金というダムの水を積み上げても、水を飲みたくない馬を相手ですから、肝心の銀行貸出も増えずになかなか「M2+CD」としての下流えの放流は増加しないってのは、多分いえてるのでしょう。

しかしそれでも03,04年とデフレながら景気はよくなったのは、量的緩和も少なくともマイナスのことでなく、プラスに働いていたのではないでしょうか。
日経の月曜日に出る景気指標をフォローしていて、振り返ってみると、03年頃からはすでにマネタリー・ベースの増加率は減少させ始めていましたし、それがマイナスになったのが06年の初めでした。マイナスの底打ちが07年初めでした。
この間、現在に至るも続く、名目GDPが実質を下回り続け、以上の日銀の挙動は、デフレなのにここ5年間むしろ金融を緊縮させるアクションをとっていたように見え、非原則で、竹中さんが指摘したように大学試験の問題で「デフレには金融緩和」というイロハのイに反していたようにも思えます。

ハイパーインフレにしようと思えば、国債を日銀が日銀券を発行して買い上げて、市中に流せば、現時点の南アフリカの某国のようにすることは簡単に実現できるでしょう。

ただインフレといっても物価という測定値が問題のようですね。先のバブル時も結局のところ、一般の物価はそれほどのインフレでなく、資産インフレだったようだし、そのバブルがはじければ資産デフレとなる。底なしに落ちる地価への恐怖心は、いわば激烈な期待デフレとなって、「金利-期待インフレ率=実質金利」は急上昇する。そんな高金利で儲かるプロジェクトはあろうはずもなく、国が無益な公共投資をやるばかりで、馬は水を飲まなくなる。
日銀にしてみれば03,04年と日経平均株価が急上昇したのは、超金融緩和がそんなところに資産ミニバブルを招いていたと見えたのかも知れず、ライブドアやら懲罰と連動しながら、慎重な金融政策をやっていたとでも理解すべきなのでしょうか???
多分頓珍漢な門外漢の寝言に過ぎません。
この辺は小生の教科書的理解では能力外です。

いつものように知った風なことを、駄文にしてしまいました。
本当に失礼しました。
【2008/04/19 16:56】 URL | 迎 秀昌 #- [ 編集]

To 迎さん
私も、一私企業に勤務する1技術者以上の知見がありません。
客観的に見て、金融・財政政策が、ここ10年くらい「教科書通りには、実行しにくく成ってきているな」との実感があります。

03年~04年のITバブルは、まさに目の前で技術者として見ていました。が、1つのしかも新興部門だけで、肥大化した日本の産業界を上昇に持っていける、という期待を、社会全体が持ってしまったのは、不気味でした。まして、それを通産省が旗振って笛吹いて踊らせている……でしたから。
また、まがりなりにも景気拡大しているときには(景況の絶対値が低くても)、金利の引き上げ、増税(減税策の解消)を実行できるものとして制度が作られているのに、どちらも、「民意」に止められる!

>ライブドアやら懲罰と連動しながら、慎重な金融政策をやっていたとでも理解すべきなのでしょうか??
あ!これは盲点ですね。
懲罰も一つの景気抑制の施策になり得ます、確かに。
【2008/04/24 01:40】 URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]


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